米国DSHEA(栄養補助食品・健康・教育法)の意義

supplement

前述のように、アメリカでは1994年にDSHEAが成立しました。

栄養補助食品、つまりサプリメントに関する法律です。

DSHEAの成立は、「年々膨張する医療費(94年でl兆ドル=GNPの12%。ちなみに日本は93年で24兆円=GNPの5%)を抑えたい」と法案序文に書かれたようにアメリカ政府の意図もありますが、一方では草の根レベルの消費者運動が議会を動かした結果でもあるのです。

今まであいまいだったサプリメントを定義し、消費者が利用するために必要な情報をラベルに表示できるようにして、自由に選ぶ際の情報を提供できるようにしたのです。

法案提出に至った理由については、

①栄養の重要性に関する科学的な事実と、サプリメントが健康増進と病気の予防に役立つという科学的な証拠が増えてきていること

②ある種の栄養素とサプリメントの摂取が、ガン、心臓病、骨粗鬆症などの慢性病の改善に関係していること

などを挙げています。

また、アメリカ国民2億6千万人の約半数が、ビタミン、ミネラル、ハーブ類などのサプリメントを摂って健康維持に役立てていることを指摘し、消費者が安心してサプリメントを選べる科学的な情報提供の必要性を強調しています。

それまではFDA(米食品医薬品局)が効能などの表示を厳しく制限していたので、「何に効くのか」「どう使えばいいのか」といった消費者に必要な情報を製品ラベルに表示できませんでしたが、科学的根拠があればFDAに通知するだけで表示できるようになったのです。

世界最大の医学研究所であるNIH(米国立衛生研究所)には、新たに「栄養補助食品室」が設けられ、科学的な研究をバックアップする体制がとられました。

国を挙げて、サプリメントを利用しやすい環境をつくったのです。またもうひとつ政府機関として、ラベル・コミッションも設けられ、ラベルなどについて検討し、消費者に科学的な情報を伝える橋渡しの役割を果たしています。

成立翌年の声明で、当時の大統領クリントンは、長年にわたる草の根レベルの運動が実を結んだ結果だと述べました。元大統領自身もサプリメン卜の愛用者と伝えられています。